「病気が治りますように」とか「受験に合格できますように」など自分の欲望を仏様におしつけるような行為は仏教の因果の道理からもありえないことです。そのため浄土真宗は自分勝手な祈りは説きません。また、私の方から祈って救われるのではなく、むしろ逆に、阿弥陀仏の方から「悩み苦しむあらゆる人々を救いたい」と願われ、そのはたらきによって救われていくところに、浄土真宗の神髄があるのです。しかし、頭ではわかっていても私たちは祈らずにはおれない不完全な存在なのです。その願わずにはおれない人の心を阿弥陀様は見通され、私たちが願うよりも先に、すでに私たちに向かってはたらきかけてくださいます。